一人で遊ぶのはじまり

人のためになるようなことがしたい。
人のためになり、かつ、自分のためになる。
そんなうまい着地点をいつも探している。
そのへん、仕事はとてもわかりやすく着地点が示されている。
会社のビジョンが賛同できるものであれば、あとはそのビジョンと照らし合わせながら、優先順位を決定していけばよい。業務は探せばいくらでもある。
しかし。
休日。
人のためになる休日の過ごし方というのは、いったいどういうことなのだろうか。


お世話になっている人のうちに行って、庭の掃除をかってでる。
横断歩道で信号待ちしているおばあちゃんをおんぶする。
今時期であれば、マンションのロビーをクリスマスバージョンにデコレートする。
友達のうちに行って、台所を借りて、晩ごはんをつくる。


なんだか「ありがた迷惑」という言葉を思い出してきましたよ私。
これはなんだろうか。
人のためになるようなことがしたいのに、人の邪魔になっている私。


でも、そこでへこたれる私ではない。ちょっとトンチをきかせてみた。
人のためになるような行動をとることが結果的に人の邪魔になってしまうのなら、逆説的にこういうことが考えられないだろうか。


人の邪魔にならないようなことが、結果的に、人のためになる。


自分で言っておきながら、人の邪魔にならないことがどうして人のためになるのか、そのメカニズムがよくわからないが、仮定と検証を脳内で繰り返した上に辿り着いたあるひとつの結論であるので、ひとまずここは信用して、行動してみようと思う。
でも、人の邪魔にならないことっていうのはどういう行動なのだろうか。
たぶんそれは、
一人でいる。
ということなのではないか。
一人寂しく誰にも迷惑をかけずに部屋にいる。
これじゃないのか。


部屋にいてみた。
ゲームをする。
資本論を読破しようとする。
昔のアルバムを整理してみる。
つまらない。
何かが足りない。
酒だ。酒が足りない。
そう思った私は、昼間からスーパーに出向いた。


そこで気がついた。
これだ!




発泡酒とその他の雑種2などを飲み比べてみる遊び』
そんな遊びがあるのかわからないが、とりあえず、一人で居るだけじゃつまらないので、一人で遊んでみることにした。


買ってきた発泡酒たち


積んでみた。見よ!このふてぶてしい風体!!

バラエティーに富んだ昨今の発泡酒とその周辺。
ビール的な味を安く堪能出来るので、私はその存在に感謝しているのだが、いかんせんバラエティーに富みすぎていて、何がおいしい、とか、何がアレだ、とか全然把握出来ていない。いや、別に把握しなくていいのだが、ほら、人の邪魔にならない、ってこういうことなんじゃないか。
そう。東京の片隅で一人、発泡酒などを飲み比べる。そして、それをネットに発信する。誰かが読む。鼻で笑う。鼻づまりが解消する。結果、人のためになる。多分。
もしくは、レビューを読む。おいしそうだと自分でも飲んでみる。結構イケるとグイグイ飲んでしまう。すっかり酔っ払ってしまう。酔っ払った勢いであのコに電話してみる。告白する。人のためになる。おそらく。


そんな、多分やおそらくのために、私は休みの日、一人酒を飲む。
2日かけた、酒とタバコとその他周辺の記録が、まだ見ぬ誰かのためになれば幸いです。