「どうもすみません」のはじまり


本屋に足を踏み入れたその瞬間から、
文房具屋に足を踏み入れたその瞬間から、
かなしいかな、トイレを我慢できなくなってしまう少年の、
「なんだなんだ。トイレを借りに来たのかこの少年は」
と思われたくなくてなかなか店員さんに言い出せない小さくてかわいらしい意地。
そんな意地が彼の履いていた水色の半ズボンの股間部からじんわりと藍の色を広げていく。
その藍色がすっかりと半ズボン全体に染み渡りはじめて、いくばくかの時がたち、
まるで、はじめから藍色のズボンであったかのような顔をして、
店員さんにコロコロコミックを渡す少年。
そこへいくと、
その状況におかれてきっと、
藍色に染め上げた半ズボンをあえて指差し、
「どうもすみません」
とコツンと自分の頭にやっていたであろう林家三平はすごいなあと思う。


そんな三平を妄想してしまうほど。
今の私はそんな気分だ。
どんな気分だ。


いつの間にか、
パソコンを立ち上げログイン画面を開いた瞬間に、
尿意を催してしまう生き物になってしまっていた私。


そんな私に
「どうもすみません」
の一言はとてもやさしい。


自分のできないことがようやくわかってきた。
そして、自分のできないことを、
楽しそうにやってくれる周りの人がいることがわかってきました。
んで、そんな周りの人が苦手とすることが、
自分には意外と楽しかったりすることなのです。


尿意に勝ったり負けたりを繰り返し、
酒を飲んでは記憶を失い、
いまだに稟議書の書き方がわからない私ではありますが、


「どうもすみません」
積極的に舌を出して、
あたまをコツンとやっては、
あいつはしょうがないなあと、
思い思われ、やっていきたい。
そんな思いを新たに2008年2月でございます。
ペロリ。