優雅のはじまり

とり過ぎた。
と今では、ちと後悔している。
調子に乗って、8月の半分以上を夏休みにしてしまった。
うわ。ホントとり過ぎている。
勢いってのは、本当に恐い。



7月の仕事があまりにも忙しかったために、
その反動で盛り上がって、休み申請を全ツッパでしてしまった。
先輩がオレを睨んでいますよ。という名の「満貫」や
女子社員がオレを見るたび舌打ちしますよ。という名の「跳満」や
上司がデスクの脇を通る度に「休みがすくねえ」と愚痴を言いますよ。という名の「倍満」や、
オレと話すときのボスの目が笑ってないですよ。という名の「役満」をかいくぐり、
オレは、上がりを成就した。



が、その上がりから得たものを、オレ、全く生かしきれてない。
暇だ。とか、下手したら言いかねない。



どうやら、オレの「夏休み」というイベントは、「夏休み」を得るための全ツッパで完全燃焼してしまったようです。本来であれば、オレはオレのために時間を使えばいいのだが、日頃、会社の時間を堪能しているから、そうではない自分の時間で、自分のために出来ることを忘れてしまいました。



もしかしたら、これを人は「優雅な時間」と言うのだろうか。「贅沢」などという言葉で、括ってくれるのだろうか。
これらの言葉は非常に、インドアな印象を受ける。ひたすらサガンなどを読書をしてそうだ。でも、それは確かに「優雅な時間」ならではの嗜みだ。
しかし、何か企んだり、最後の花火が消えたり、浜には二人だけだからだったりの「夏休み」然としたイベントに、「優雅な時間」じゃあまりにも遥か彼方。



しかし、現実問題、海に行ったりする予定も元気ももはや無いので、それはそれで妄想で済ませて、「優雅な時間」とやらを前向きに謳歌しようとオレ、即座に切り替えてみた。
あらら。
そう思うと、オレはそんな「優雅な時間」を謳歌すべく「夏休み」の申請に完全燃焼したような気がしてくるから不思議であり、その勢いでもってオレは、来たるべき「優雅な時間」に対応するべく、洋服を買ってきたりしている。サガンを読んでいたら、女子から遊びの誘いの電話がかかってきて、当然オレはマッハで外に出向くのだが、そのための服を買ってきたりしている。「優雅な時間」とやらは、インドアであり、そして、受身でもある。がっついたりはしないのだ多分。「優雅な時間」ってのは。完全なる「優雅な時間」に、少々服の値は張った。が、それもふくめて「優雅な時間」の一部なのだと思えば、それもまたよしと思えるのだ。




オレの「夏休み」は、「夏休み」の準備段階で消えてなくなってしまいました。
だから、「優雅な時間」には細心の注意を払いたい。「優雅な時間」は安泰と思う。ちゃんと準備して、構えているから。



と。
こんなにも閉ざした個人的過ぎる内容の更新をしてしまうのは、
何か似ている。といった嫌な予感がするから。その不安を解決したいから。



「服を買う」という頑張りは、
仕事を片付けるために「終電で帰る」という頑張りに酷似している。



とり過ぎたのは、「夏休み」ではなく「イメージトレーニング」。



はじけすぎた妄想が、現実が追いつくために、
今日のオレは、手帳用のボールペンも買っていたりします。
0.3のボールペンで、
「読書」「読書」
と早速、休みを埋めてやりました。
オレには「優雅な時間」が待っている。



ちなみに、修正液も買ったので、
すぐに予定は変更出来ます。
10秒ぐらいで直しますので、
今後とも何卒宜しくお願い致します。