Pのはじまり

personne

人。
われわれの同類として、他の一切の生物から区別されてその存在が認められる動物。脳が発達し、立って歩き、言葉・火・道具を使う。
(英:person)


結局、何処へ行こうが、人。
人が大事なのだとオレは思う。ただ単に、風景や建築や絵画を見ているより、そこにいるその土地の人々を見ているほうがよっぽど面白い。
フランスの空港に着いたときに、日本では嗅いだことのない臭いを感じたが、それが、彼らの香水文化から発生しているのだと気付いたときに感じた気持ち。
ホテルの近くにあったスーパーマーケットで10ユーロぐらいの買い物をして、50ユーロ札を出したら、レジのお兄さんが赤鬼の如く怒り出して、なんじゃこりゃ?と感じたが、彼らは引き算が苦手なのだと教えられたときに感じた気持ち。
地下鉄でティーンエイジャーが無人改札を、バシバシ潜り抜けているのを、駅員さんが何も言わずに見ているのを驚いたが、後日、そういったキセルをチェックする役目の駅員さんを、出口で見たときに感じた気持ち。
すごく面白い。
オレは、やはり人だ、と思うのだった。
距離が遠すぎて成長する環境が違ったり、言語が異なるために気持ちを表現出来なかったり、ただそれだけのことで、文化の多様性を現出しているそもそもは人なのだ。と思うのだ。



あ、すげー当たり前のこと、書いている。
ただ、それだけのことなんだけど、でも、そんな当たり前を体の芯から、思い知ったフランスであった。



というか、
生きる。
その欲求を満たす行為ですら、ちょっとした冒険で、
店を探し、物を選び、注文し、金を払う。
または、
行きたいところに、行きたいけど、道に迷ってしまって、道を尋ねる。
行為の一つ一つを意識し、一生懸命にクリアしようとしている自分に気がつくのだ。
生きるって大変だな。



そんなことを考えていたら、
日本語を話し、日本で生活してる自分は、結構すごいのか?
と思ってしまって、でも、こんなこと誰もほめてくれないから、オレ、とりあえず、日本酒で自分のすごさをお祝いしてみた。
万歳オレ。



ちなみに、日本酒に関しては、オレはちょっとうるさい。
いや、銘柄とかそんなんじゃなくて、酔い方。そこにうるさい。というか、そこがうざい。オレがうざい。
過去の実績としては、
駅のホームで横になる。
寝ゲロ。
三日酔い。
などなど。
うん。うざい。
そして、何ヶ月ぶりに飲んだ日本酒によって、オレ、新たな実績、
ソファーを掛け布団にして寝る。
をつくり、まあ、なんというか、海外であっても、日本であっても、



生きるって大変だな。と。
生きているってすごいことなんじゃないか。と。
だから、そんなすごいことを当たり前にしているオレの周りの友達とか親たちは
もしかしたら、オレが思っている相当にすごい人なんじゃないのか。と。
そんなすごい人たちに囲まれている生活は、相当に面白い生活なのではないか。と。
ま、そんなことを改めて言ってみたりして。



と、いうわけで、Pのはじまりが完成しました。無駄に「PARIS」であいうえお作文みたいなことをやっていました。ではこれにて、ながきに渡りお送りしていた「フランス5部作」をお開きにしたいと思います。
させてくださいとお願いします。



あ。
この展開の強引さ。
もしかしたら、すごいことなんじゃないか。