友人のはじまり

この日の文章を、友人Y君に捧ぐ。



「仕事が出来なくても、おっさんにはなれるんだよ」
「部屋に室外機を置けば、頑張れるんじゃない?」
などの名言をつむぐ友人Y君は、先日舞台に立った役者です。



オレが休みの日に、Y君は家に来ました。
まずは儀式として、AV交換。
オレライブラリーの東の性横綱だった『痴女行為』は素敵D面子に貸してしまったので、関脇クラスで茶を濁す。
一方、Y君は『イジメ学級』という爆弾をオレの部屋に落とした張本人なので、オレはY君セレクションには全く期待していないのですが、これがなんと期待を裏切る超ドメジャーを提出。
早速、Y君とオレの2人で、部屋の電気を暗くして、鑑賞。
男2人、昼間からAV鑑賞。
ヘッドホンを独り占めしてまで、食い入る様に見てしまったオレは、Y君の優越感に屈せざるを得ませんでした。(ある部分は屈するどころか、動かざること山の如しですが、何か?)



そして、Y君とオレは、アキバに向かうのでした。
念願のふたりアキバ巡礼。
それが、ラジオ会館ぐらいで力尽きてしまって。
なんつーか、昼間からAVをたしなむ位のか細いエネルギーの2人には、あの過剰は耐えられません。ショーケースの連打に打ちのめされてふたり。
その後、「うー。あー。」とか言ってるリュックパンパンさんゲリラ尾行ゲームをしたりしたのですが、大して盛り上がらず終了。
2人は、噂のスモーカーで煙をこぼすのでした。



K口のジョナサンに移動。
この前の舞台の台本を見せてもらうと、オレは焦りにまみれました。
Y君はオレの焦りを黙って聞いてくれました。



Y君はそんな感じのいい男です。
ダメな日常を普通に過ごせるいい男です。
人の部屋に来て、漫画を読んで、それだけで帰ってしまういい男です。
オレも一緒に部屋に居るのですが、無視して読むいい男です。



そんな感じのいい男ですが、
ぶっちぎりいい男ってわけでもなく、
どこか安心できるバランス感覚に富んだ男でもあります。



オレの携帯に送る初写メールが
『Y君のチ○コ(a.k.a Y君自身)』
だったり、
一回オレがY君に本気で怒ったとき、
カウパー漏れちゃった』
と告白する、絶妙のバランス感覚。
いや、多分、バランス崩れているのだけど。




そんなY君とは一生バカ出来る確信があります。
万一、オレだけが大人になってしまっても、
Y君だけは一生バカで居る確信があります。



Y君だけは、一生、バカ。



だから、Y君がこの前みたいに街中で差別用語を大声で騒いで、
周りの人が冷ややか目を遠慮なくこっちに向けても
オレは赦してあげようと思うんだ。
友の将来を邪魔する程、オレは、無粋ではない。
うん。
それが、友人ってもんだ。