戦いのはじまり

Y君が下北の舞台に立っているので、今日、観に行きました。
公演後ロビーで待っていたら、彼が現れてちょっと話したんだけど、彼は手ごたえが良くないと納得いってなかった。オレはあんまり感じなかったんだけど、まあ、本人が言うんだから、多分、そうなんだと思う。
昔のタイトル(今みたくオサレ雑誌じゃない時の)で『映画観戦』って言葉が使われてたけど、演劇こそ、鑑賞ではなく観戦だと思った。文芸座じゃないけど、出演者一人一人の「役者人生VS何か」ってのを、公演の内容と並行して観戦していたいと思う。戦う人がオレは好きだ。



だから、Y君は納得行くまで、戦えばいい。



客席で、中学からの友達、Sと会う。
公演後、Sと一緒に下北のカフェに行き、ビールとピザで語る。
Sはこの前まで、ふーらふらしていたのだが、遂に決心して、今、働き始めている。親の会社の後を継ぐために、月5日の休みで頑張っているみたいだ。
まさか、Sと仕事論を交わすと思わなかった。学生時代、競馬と麻雀とゲーセンとエロの話ばっかりしていたから。
やれる現状でやれる限界までやるべきだ。と、Sは言っていた。



君達が戦うそれぞれの「何か」が同い年のオレにはなんとなくわかる。
オレもなんとなく「何か」を知っている。
Sとオレは沈黙する。
ビールで鈍った思考は、その「何か」だけをぼんやりと浮き彫りにした。