賢者のはじまり

オレの目指していたものは、結局無駄でした。



Aちゃんと呑みました。
そして、Aちゃんは言う。
待ち合わせの時、メチャクチャおっさんだった、と。



『男前計画』なるものを始めております。
渋味のある大人になろうと、日々切磋琢磨している次第であります。
しかし、どうなんでしょうか。
見た目。
これ、結局、かなり大事みたいです。
オレは、いつしか「見た目」を諦め、文系でのモテを獲得しようと、「草枕」なわけでした。
精神は肉体を越える。
それが正しいのだと信じていました。
『男前計画』も結局、内面からのアプローチがほとんどです。
Aちゃんは言う。
ま、中身は若いけどね。
嬉しくない。
歯がゆい。
許されたチヤホヤは、とても虚しい。
それを知りました。



もう少しポーズをとった方がいいかもしれない。
カッコつけることは、案外、カッコいいことなのかもしれない。
『ポーズの人』ことMさんは、オレよりずっと年上なのに、ヒステリックグラマーを着こなす。
ちなみにMさんは、オレの大学時代、一番の文化先生です。



色々模索してきたモテの正義は、結局、「見た目」だったという事実。
内面と外面は繋がっているようで、分離していたのです。
内面を磨いたところで、何も意味がありませんよ。
オレの目指してきたことは結局無駄でした。



書を捨てよ、町に出よう。
次回の男前計画、ちょっとアクティブな方向で行きたいと思います。