銚子のはじまり

金が1兆円ある子供。
金が1兆ある子。
金1兆の子。
金兆子。



つまり、銚子とは、元来お金持ちであり、まあ、近くに海あるし暇潰しとく?的な、趣味で漁業を営んでいる方が多い。と、オレは睨んだ。睨みを太平洋の遥か彼方まで効かせた。
勉強させてください。
男前はゆとり、と気付き始めた今、スケールの大きい時間の使い方がそこにあると思い、オレは銚子に向かった。Yさんと、Kと。



本来であれば、Dちゃん(a.k.a.ゴDバ)も行く予定であったが、Dちゃんは朝からトイレに閉じこもって出てこないので、オレ達は彼を置いていくことにした。Dちゃんは朝一からハマる、トイレに。



さて、車中。
まずは、夏自慢大会。
男前を目指すものとして、こんなところで負けるわけにはいかない。
オレ? ふふん。スパリゾートハワイアンズに行ったぜ! 福島だぜ! スライダー1時間待ちだぜ! 



Yさん。『富士山に行った』
K。『女子高生や女子大生と、海や花火に行きました』



ちょっと、すいません。車止めてもらってもいいですか?
二人で盛り上がればいいと思う。うん、きっとそうだよ。
あ、オレ? トランクに入っているから、気にしないで。
寝てるから、着いたら起こして。



トランクの中で、オレはDちゃんを想う。
Dちゃんは、きっと、1日寝てました。とか、2日寝てました。とか、5度寝しちゃいました。とか、言ってくれてたと思う。
Dの磁場を彼一人が吸収して、車内には、平穏が訪れたのだと思う。
Dちゃんは平穏の使者。
彼が居るから、世界がまともに動きだす。
神だ。
そう、彼は神。
神→ゴッド→ゴッD→ゴDバ。
Dちゃんはチョコレート。
ギブミーチョコレートなわけで、
オレはトランクの中で、空襲に怯えている無力そのものでした。



銚子に着きました。
寿司食いました。
寿司ネタのマグロは、まるで掛け布団みたいな大きさで、ああ、これが『銚子ジョーク』なのか、と思いました。
その皿の赤字上等の過剰な演出に、男前を見ました。



灯台に行きました。
男衆3人は、太平洋の向こうに何をみたのか? オレは、米国を想いました。
ギブミーチョコレート。
灯台にはカップルが居ました。
筋肉男とワンピース女。
灯台と筋肉とワンピース。
完璧。
千葉県のイメージポスターにしたいぐらい、絵になる組み合わせだ。
将来、オレが『金が1兆円ある子供』になったら、庭に灯台を立てて、ワンピースと結婚して、アブトレ−ラーだな。と男前にまた一歩近づいた確信を抱く。



露天温泉に行きました。
男前はサウナ、の掟を忠実に守り、そして、露天で腰に手を当て、太平洋を正面から受けようと仁王立ちするヤンチャ心も忘れません。
露天で寝っ転がって、空を見ていたら、まだまだ夏の深い青でした。



銚子は媚びない。
銚子は多くを語らない。
馬鹿みたいに、真面目に真っ直ぐでした。こっちが恥ずかしくなるほど。
1兆円のにおいはしなかったけど、銚子の佇まいは、オレの描く男前像そのものでした。



plan-6「男前だから、銚子」



海と灯台のメタファーは、あながち間違ってないと思った。
海守(http://www.umimori.jp/pc/)に北方先生の顔があったのも、間違ってないと思った。



そして、東京に帰ってきても、Dちゃんはトイレにはまっていて、まあ、1日の過ごし方としては、それはそれで、間違ってないと思った。