『阿修羅のごとく』のはじまり

五年前ぐらいにリメイク前の作品を観た時、
この映画の凄さが分からなかったが、
年をとって、なんだかとても良くなっていた。
リメイクでよくなったとかじゃなくて、
多分、オレ個人の問題。



向田さんの脚本の緻密さがわかってきた。
例えば、玄関の靴を映すシーンで、
・誰か家に来ている。
・その人物の靴で年齢、脱ぎ方で性格を端的に示す。
と、二度おいしいのです。



オレは、ふむふむと感心しながら観ていたのですが、
隣で観ていたYちゃんは、
「ハリウッドの方がスカっとする」
これもまた真実。



結局、この映画から、
向田さんはもう何年も前にお亡くなりになったのに、
人生は冗談だ。
と仰っていて、
構成は緻密なのに、メッセージはとてもパンクな御仁だった。
と、オレは知りました。