第5位

財布落とした。

あまりにも私的な事柄ですが、厄年だった2004年は、このイベントを差し置いて語れないのです。
「厄年? あ? どうでもいいんじゃね?」
だったオレに、フルスロットルで厄年はつっこんできました。新年早々。1月10日。忘れもしない成人式の日。
その日は、我が妹が成人式に行くと言うので、オレはカメラマンとして同行したのです。そして、ヤンチャ達がごった返す会場に着き、妹と友達を若人に負けないテンションでもって、バッサバサと撮りまくり、オレは己の曇りなき兄行動に感動を覚えつつ、会場に入っていく妹と別れたのです。
自分の成人式には行かなかったオレの数年遅れの成人式に、ちょっぴりノスタルジックな気持ちになり、20歳の頃、狂ったように夢中になっていたパチスロを懐かしむように打ったのです。
4万円負けました。
ああ、何もかわんねーなー。パチスロは常に現実で、決してドラマチックな夢など与えてくれないのです。それをオレは4万円で思い出しました。
友達と久しぶりの再会に喜ぶ妹。
スロットで4万負けるオレ。
お金よりももっと大事であろう先のことが見えた二人は、その日、めでたく成人式を迎えたのです。



その日の夜は、焼肉屋で妹の成人式を祝う会が予定されていました。オレにはまだ時間がありました。オレはゲーセンに居ました。未成年への決別、第2弾。
不毛のどん底。それは一人ゲーセン。オレが20歳だったころ、それは、ゲーセンで寂しくモニターに向かう日々でもありました。
時間潰し+不毛再確認
これ以上無い選択で、オレは遅れてきた一人成人式を締めくくろうとしていました。



そして、財布を落としました。



立ち直れない面倒臭さと後悔が一週間ほど続き、そしてやっと、こう思うことが出来ました。



これは人生最後のカツアゲだったんだ!



10代はカツアゲとの闘いの時代でもありました。強がることを忘れてはいけない。しかし、あまり目立ってもいけないので、程よく強がる。あの出来事はオレにそれを教えてくれました。
そしてその日から今日まで、カツアゲに出会わず生きてこれたのも、決して財布を尻ポケットに入れなくなったからではなく、ギラギラとした挑発的な視線と気持ち大袈裟な腰の低さという、程よい強がりを実践しているにすぎないということを、オレは今再確認しなくてはならない。
こんな厄年らしいイベントで2004年は幕を開け、オレは腰を壊し、風邪を月1で引き、アレがやばそうになり、アレは実際に下がったのである。
そして、『超ポジティブシンキングwith悲壮感なオレ』が始まったのです。



ありがとうございました。
厄年。