正直のはじまり

女子の世界は正直だ。
「イケメン」というセンスゼロな言葉が、かろうじて生き残っているのも、そういうことなのだろう。この前Aちゃんにおっさんの宣告を下されました。いや、もともとおっさん顔なんですよ自分は。高校生なのに、バイト先の大学生から敬語を使われたことがあるおっさん顔なんですよ自分は。
男前はゆとりだ。そう思っていた。モテへの道がいくつもあると思っていた。見た目幻想から解き放たれたと思っていた。文学少年にも神は手を差し伸べていたと思っていた。
ゆとりあるインテリ。正解の手ごたえがあった。しかし、オレの中で、「ゆとり」はいつしか「ゆるみ」に変わっていた。
違うみたいです。



「見た目+α」



見た目前提。
女子の世界は正直だ。
+αの部分はメチャクチャ磨いてきたつもりです。青春のベクトルを筋肉に変えた覚えはビタイチないです。笑いが幸せを運ぶと思っていたのです。
違うみたいです。
ただ、ビジュアル面で何か出来るとは思ってない。
整形。
ごめんなさい。出来ません。結構自分が好きだったりします。
じゃあ、何が出来る。
精悍さ。
そう、オレにはこれが足りない。
というより、ここしか、アプローチが出来ない。
内面から滲み出るというよりは、わかりやすい精悍さ。
そう、筋肉。
筋肉と精神の華麗なるコラボレーションを図ることが、モテへ確実な道なのではないでしょうか?



というわけで、その道の権威こと「Tarzan」を購入。今まで一度も購入したことのない体育会系認定雑誌こと「Tarzan」。今月号は『筋トレ超マニュアル』の特集でとってもタイムリー。
図解7割のページをペラペラめくる。
ほうほう。
インクラインプレスはベンチに座って、胸を張り……。
有酸素運動にはバイク……。



……こんな器具、うちに無いよ。あるわけ無いじゃんかよー!!!
体育会系にありがちな初心者に優しくない、体で覚えろ系の誌面姿勢。
フィットネス前提。
ああ、そうですか。ここでも前提ですか。わかりましたよ。フィットネス前提ぐらい、容易いですよ。社会人の財力を舐めるなですよ。



というわけで、
フィットネス、入会。
室内用のシューズ、購入。
証明用写真、撮影。
今までにない行動力に感動すら覚えます。
フィットネスなキャラじゃないのは重々承知で。
しかし、こんな自分が面白いので、始めちゃいます。




今日は初日だったのでさわり程度でしたが、『グラップラー刃牙』の世界から出てきたような人も居て、フィットネスはかなり刺激的でした。
しかし、フィットネスの完成形が、『グラップラー刃牙』の世界から出てきたような人なら、たぶんモテない。



Plan-8「男前は、フィットネスの常連にならない」



グラップラー刃牙』の世界から出てきたような人は、インストラクターとも他の人とも親しげに話していた。
週1位の筋肉が一番のモテ筋なのだろうと、その時察した。
毎日通おうもんなら、多分、Aちゃんはこう言う。



筋肉マンみたいだね。



女子の世界は正直だ。