遊び上手のはじまり

井の頭公園で花見をやる、というので、とりあえず桜花賞を買ってからにしようと思い、水道橋の場外馬券場に行った。大学の時から競馬友であり男前のIがWINSに居るかも知れないと思ったので、ダメモトで電話してみた。電話をする時点で、正直な話、井の頭公園がメンドくさくなくなっていたのだ。オレは、行けない理由を探していた。「行きたかったんですけど」と申し訳無さそうに謝れる理由を探していた。友がWINSに居たなら、仕方がない。目の前の友を優先するのは、男前としては為すべき行為に思える。しかし残念ながら、IはWINSに居なかった。
そしてオレは午後3時、井の頭公園ではなく、経堂のI宅に居た。
なんなのだろうか。このイリュージョンは。こうも自然に事が変化すると、そのプロセス自体で幸せになれる。そう。オレは、「今からそっちに行くから」と言葉とともに、強引にIの家に乗り込んだのだ。
そして、二人は桜花賞を見た。
酒を飲みながらご機嫌な桜花賞を見た。



Iは遊び上手だと思う。「来週までに新しい格ゲーを極めて、対戦をしようぜ」などといった、刺激的な日常のスパイス的斬新な提案をしてくれる。「なんですか。その遊び上手な提案は」と思わずオレもこたえてしまう斬新な提案。
しかし、格ゲーのセンスではIに負けているだろう。オレはその一生覆すことのない優劣をストゼロ3で散々思い知らされた。その後、二人はゲームショップに走った。
ウィニングポスト5。
二人は各々、それを買った。
同じソフトをもって、二人はレジに並んだ。
クソゲーなのかどうか判断つかない代物を、二人は春のG1の勢いで買った。



これからの一週間、オレはウィポ漬けになる。ってか、なります。それは、負けられない男の戦いだから。限られた時間の中で、オレはどれだけの成果を出すことが出来るのだろうか? ゲームと会社は似ている。
うん。無理矢理。



こんなにムキになるのは、桜花賞を負けたから。Iの武豊も、オレも本命も、馬券対象外でした。
でも、パチスロで負けた額の10分の1で、競馬は1日を楽しむことが出来る。オレの周りに競馬を語り合える人がもっともっと出来ることを願う。



まずは、ウィニングポスト5。
だから、ウィニングポスト5。
どうでしょうか。
オレと一緒にはじめてみませんか?