第1位

スパイダーマン2」を観なさい!

口の中が異様に酸っぱくて、目が覚めた朝7時。何事かと、うがいをしようとオレ、ベットから立ち上がろうとしたら、足元がおぼつかなくて、結局ベットに腰掛けるカタチに。いやいや。ホントに何事かと。よくよく部屋を見てみたら、コートが脱ぎ捨ててあって、いや、よく見たらそれは、Tシャツとカーディガンもまとめて脱ぎ捨ててある状態であって、オレは1回の動作で3枚脱いだことになっているのである。と、ここまでの思考に10分。その間も頭が痛くて。思考と思考の隙間に「頭痛」の二文字が惜しみなく注がれていて。床を見渡せば、覚えのないマクドナルドの紙袋とコンビ二おにぎりの包み紙。そして、タクシーの領収書660円。なんとなく思い出してきた7時20分。オレは未だにベットに腰掛けていて、TVはラサール石井の髭なので、彼が髭を生やす理由を3つ考えて、その中でも有力候補の「そもそも髭じゃないのかもしれない」という自説の検証を展開したのであって、それが7時30分。オレはその後の30分を覚えてないのだが、8時には駅に居たので、シャワー、歯磨き、タバコ、着替えなどを30分でこなしたのだろう、と感心したとき、電車は霞ヶ関に着いた。とにかく今日の記憶は途切れ途切れで、というか、正確には昨日の22時ぐらいから、オレは覚えていないのです。そして、昼休み。携帯のメールチェックいたら、知らない送信メールがそこにあって。それは死にたくなるくらいのセンスで彩られた愛の言葉で、送ったほうも送られたほうも、絶対幸せにはなれない腐臭がディスプレイから放たれていたのです。そして、その腐臭でオレは思い出しました。



皆さん、すいません。
もう、マッコルリを焼酎で挟んだりしません。「焼酎→マッコルリ→焼酎」って、どんな寄り道かと。
今でも完全に欠けている記憶があって、でも、マックとか食べたんだろうなオレは。おにぎりも食べたんだろうなオレは。そして、タクシー乗ったんだろうなオレは。Yちゃんとの別れ際とか、まったく覚えてないし。寝る前にオレは、ちゃんとトイレで「リバース」したらしいのだけど、口が酸っぱいことしか覚えてない。でも、寝巻きには着替えていて。
「寝巻き」「リバース」「マック」「おにぎり」「その他」
家に真っ直ぐ帰って寝る、という行為よりもこれらを優先したオレの本能は、その他の部分で「腐臭メール」を送っていたりするので、あなどれません。嗚呼、他にオレは何かやらかしましたでしょうか? 正直思い出せません。やってたら、ごめんなさい。あと、また思い出したんだけど、大声出して、ごめんなさい。
というわけで、映画「スパイダーマン2」は、こんな感じで「寝巻き」「リバース」とかと並列で「スパイダーマンになる」が主人公の中にあって、おいおいそんな位置付けでいいのかよ、と思うのですが、「スパイダーマン」=「正義」と同じくらい大事なことがあるということなのでしょう。
だって、やらなきゃいけないことを当たり前にやるなんて、とても退屈なことじゃないかい?
オレに唸るほどの金があっても、「家に真っ直ぐ帰って寝る」と「おにぎり」の狭間で生きていたいという願いで、オレは実践します。
つまり、朝、口が酸っぱくなっていたのは、「スッパイダーマン」ってことで、これを書きたいがために1時間費やしたオレは、やっぱり昨夜、どこかで大事な何かを失ってしまったのだと思う。



というわけで、失った何かを探しに、2005年、はじまります。